多分絵が苦手で最後まで読めなかったという方けっこういるんじゃないでしょうか?
今回は手っ取り早く結末を知りたい人のためのネタバレ感想記事です。
「左ききのエレン」のおすすめポイント
このマンガ、すごいです。最後まで読んで良かったです。
原作版は絵がかなり拙いのですがとにかく「もっと読みたい」と思ってしまう話への引き込み方や、息を飲んでしまうような表現がうまい。
最初は気になっていた絵柄も徐々になれますし、巻を追うごとに上手くなっていくので読みやすくなりますよ。
そしてセリフのひとつひとつが重い!!
登場人物がが苦悩する様子も「わかる!わかりすぎる!」と思わず泣きながら首を縦にふってしまう場面が多いです。
ラストはバラバラだと思っていた登場人物が
徐々につながり話がどんどん加速してゆく展開も目が離せませんでした。
今なら原作版がAmazon Kindle Unlimitedで全巻読み放題!
「左ききのエレン」について
主な登場人物
人物 | ドラマ版 キャスト |
人物紹介 |
朝倉光一 | 神尾楓珠 |
主人公。凡人でありながら天才になりたい悩める広告代理店デザイナー。
|
山岸エレン | 池田エライザ | 孤独に苦悩する天才アーティスト。 |
岸あかり | 産まれながらの天才モデル。光一の元恋人。 | |
加藤さゆり | NYでのエレンのプロデューサー。光一の元恋人。 | |
神谷雄介 | 光一の先輩。天才肌で人当たりが良い。 | |
流川俊 | 苦労人。元コピーライター志望の営業マン。 |
nifuniさんが作画しているリメイク版もあるので絵柄が苦手な方はこちらをどうぞ
「左ききのエレン」のネタバレ感想
最終巻のネタバレ
広告代理店で駆け出しデザイナーとして働く朝倉光一という凡人と
誰もを圧倒する天才画家山岸エレンがそれぞれの苦悩を乗り越えてゆく物語。
数年間会うことがなかった光一とエレンは最終巻に再び会うことができます。
光一の作った広告を上からグラフィティで塗りつぶすエレン。
1巻から様々な思いを経てエレンが光一をまた認めてくれたシーンに感動しました。
一瞬の再会のあとまた離れ離れになる2人。
22年後の2040年。ベテランディレクターとなった光一がエレンの広告を担当して感慨にふけりながら引退して物語は終わります。
恋人でもない、凡人と天才で才能も全然釣り合わない。
けれどそんな二人が人生の一瞬を交差することで、お互いを照らしあう大事なライバルになるというストーリーに心が熱くなりました。
凡人と天才の苦悩
多分私含め読者のほとんどの方が「凡人」なので朝倉光一
「自分は本気出せばめちゃくちゃスゴイ!」
「こんなに頑張っているからそろそろ成功するはず!」
「自分より能力の低いあいつがなんで成功しているんだ?!」
こういう凡人の奢りと妬みは誰にでもあると思います。
とはいえこの朝倉光一、
美大→大手広告代理店に内定するのはかなりの倍率をくぐり抜けてきているので凡人といいつつ一般的に言ったらかなり成功者なんだよなぁ…
作中にも光一が倍率を計算して「俺スゲー!!」ってなってるシーンがあったので本当の凡人からすると若干イラっとします。
一方天才の山岸エレンは天才ゆえの「誰も自分のことを理解してくれない」という孤独感に苦悩します。
天才でも、結局1人では成功できないんですよね。
周りの凡人に支えられて歩く道を作ってもらうことでようやく成功できるんです。
結局人間って1人ではうまく生きてゆけないんだということを考えさせられました。
主人公の2人以外にもキャラの濃い凡人天才が入り乱れるこのマンガ。
それぞれが色んな立場を抱えて悩んでいる姿は感情移入できると思います。
リアルすぎる広告代理店の描写
このマンガはとにかく代理店クリエイターや制作系の過酷すぎる労働現場や、社内政治、自分の本当にやりたいことがやらせてもらえない苦悩などの実態をリアルに描写しています。
原作者のかっぴーさんは広告代理店のCM系のアートディレクターとして働いていたそうです。
どうりで描写が生々しいわけだ…
私も前職では広告系の仕事をしていたのですが…
代理店のディレクターが制作会社のデザイナーをただの駒のように扱うシーンは似たような場面に遭遇したことがあったのでゾッとしました。
(良いディレクターさんももちろんいるんですけどね、結構人のことを雑に扱う方も多かった。)
何日も徹夜して仕上げた広告もクライアントの一声で全部変更したり、もう思い出したくないような修羅場も…
けど広告に対する死ぬ気で良いもの作るぞ!という熱い情熱もこのマンガから伝わって来ます。代理店には死ぬ気で仕事をしてる人が多いんですよね。
マンガらしく誇張した演出もあるので全部が全部本当ではないですが、広告代理店で働く気分を十分に味わうことができると思います。
岸あかりは死ぬのか?
「私は27歳で死ぬ」と言い切っていた天才モデルの岸あかり。
生まれた時からモデルになる運命が定められたように、最高モデルとして自分が何をすれば良いか本能的に悟っている天才。
わがままで自由奔放ですがどこか憎めない…
凡人の朝倉光一をおもちゃのように扱うも、心のどこかでちょっと好きになってしまっているところもなんだか可愛い。
作中でも一番突き抜けたキャラで大好きです。
あとシスコンの弟アラタのあかりに対する愛が異常だけどギャグすぎて面白いです。
そんな岸あかりのラストは…結局死にませんでした。
幼い頃から自分の絶頂で死ぬと覚悟している彼女は、自分の死にふさわしい現場を(力づくで)用意します。
しかし、いよいよ”モデルとしての絶頂=最期の時”を迎える瞬間に光一に邪魔をされ死にきれませんでした。
27歳で死ねなかった彼女は「私がまだ死んでいないということは、私がまだ成長しうる可能性があるということ。人生の絶頂期は一度ではないのよ。」と続編の11巻で言います。
穏やかだけどあかりらしい向上心のある言葉ですね。
心を揺さぶるような泣けるセリフ
左ききのエレンには
主人公以外にも天才に太刀打ちできず苦悩する凡人がたくさん登場します。
実は泣けるのはこの凡人達が「天才に太刀打ちできない」と悩みぬいて悔しがるシーンなんです。
特に流川さんの絡むシーンは毎回辛すぎて泣ける…苦労しすぎでしょ…
心にグサグサと刺さるセリフが多すぎて感動というより「わかりすぎて辛い…」という共感の涙を誘います。
9巻で主人公光一のセリフ
立場を気にして自分の意見を言えず、本当にやりたかった仕事ができななかったことを回想しているシーンです。
日本では年功序列の空気が強いのでこういう場面よくありますよね。
やりたくないけど上の人に従わなくてはいけない…
でもそういったことはいつまでも後悔として自分の中に残ってしまう。
私もそんなことあったなぁと思い出して泣けました。
最終巻 一番最後のシーン
本当にすべての凡人に送る言葉で勇気をもらえます。
天才じゃないからこそ本気を出さなくてはいけない。
たとえ夢が叶わなくても本気を出したなら自分のことを許せる。
だからこそやっぱり本気を出さないと何も始まらない。
と、思えました。
かっぴーさんはマンガに関して間違いなく天才だと思いますが、代理店時代に色々悩んだんでしょうね。
続編も泣ける
過去編を描いた11巻、コピーライター志望なのに営業に就かされ悩む流川さんのセリフ
やりたいことと自分に向いてることが一致する人って実は少ないということに気づかされます。
本当はあの仕事やりたいのにやらせてもらえない…働くとそんな場面沢山ありますよね。
続編の左ききのエレンHYPEが連載中
本編は完結しましたが、
現在続編の「左ききのエレンHYPE」がcakes(ケイクス)で連載中です。セリフとかは手書きで絵も若干荒いですが相変わらず面白い!
まとめて読みたい方にはKindleがオススメです。こちらも読み放題対象。
(14巻以降が左ききのエレンHYPE)
若干加筆されているのでKindleの方が絵が綺麗で読みやすいですね。
ドラマのキャストも発表され、テレビでの放送が待ち遠しいですね。
個人的には岸あかりのキャストが誰になるのかな〜ととっても楽しみです。
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